鈴木建築の家づくり

愛知県北名古屋市の工務店

1969年に設立されてから創業55年。私の叔父が大工として創業、その後父が後を継ぎ、私で3代目になります。地元では腕のいい大工と名の知れた昔からの工務店です。分譲住宅を土壁で手掛けたこともあるくらい、昔ながらの日本家屋を誠実に真面目に注文住宅として手掛けて参りました。地域密着工務店だからこそ分かる地域の気候風土。言葉にも方言があるように、その地域ごとにあった家づくりを手掛けています。

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「本来建築は自然を人工領域へ拡張する」北欧の建築思想家であるユハニ・パッラスマ―が遺した言葉があります。それに共感し、建築を形作りたいと思っています。

窓辺の居心地の良さ、落ち着きのある空間設計、温熱環境、構造設計、意匠性を考えるのはもちろんのこと照明、家具、お庭に至るまで心地よさを追求するためのプランニングと素材選びを心がけています。

ひいては無垢素材である木(木は成長過程でCO2を吸収しながら成長する)を中心に取扱い、温室効果ガスの代表格であるCO2 削減に寄与する無垢素材を多用しています。

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性能と計画

私たちのつくる新築住宅の断熱性能(UA値)は、国内最高グレードの HEAT20 G3~G2.5を元にしています。

 

気密性能(C値)は、0.3程度です。これは、一般的な2階建木造住宅の床面積100㎡を想定すると、建物全体の隙間を集めてもわずか30㎠(名刺よりも小さい面積)しかないことを指しています。

 

 

ここまで性能にこだわるのは「省エネルギー住宅にしたいから」ではありません。

「暑い」「寒い」といったストレスを全く感じない、真に居心地の良い・健康に過ごせる住宅をつくるためです。

 

そのために、とても重要なことは室内外の「表面温度」を最も良い状態・温度に保つこと

 

これを実現するために、質の良い素材を使い、丁寧で精度の高い施工で、家づくりをしていきます。

計画通りに進めていけば、自ずと最高グレードの性能値になるのです。

 

 

暑い・寒いを左右する「表面温度」


 

私たちは通常、温度計で「空気温度(室温)」を確認します。
そして、暑い・寒いを感じたら、エアコンなどで「空気温度」を変えていますが、実はコントロールが必要な熱は他にもあるのです。

 

それは、私たちを取り囲む、あらゆる物体が持っている「表面温度」

 

建物の室内でいえば、壁・床・窓・天井・家具などが持つ表面温度

外環境でいえば、屋根・塀・バルコニー・庭の地面などが持つ表面温度

 

を指します。

 

こういった部位の「表面温度」を、私たちは日々「放射」「伝導」といった熱の伝わり方で感じています。

 

 

 

この熱の伝わり方で重要になるのは、人の身体の仕組みです。

 

実は、人が温覚を感じる受容体は皮膚の奥にあって、皮膚の表面を流れている「空気温度」だけではなく、皮膚の奥に届きやすい「表面温度」の影響を大きく受けているのです。

これは太陽熱などの放射熱は体にとてもあったかく感じますが、エアコンなどの風による熱は暖かさを感じにくいという原理に基づいています。

 

 出典:クリマデザイン[/caption]

 

 

つまり、壁などの「表面温度」が高ければ「暖かい」と感じやすく、低ければ「寒い」と感じやすい。

 

体感温度 ≠「空気温度」(室温)

なのです。

 

夏や冬に室内がひどく暑い時や寒い時、壁や天井・窓などが持つ「表面温度」のことを考えなければ根本的な解決になりません

 

G3~G2.5レベルの断熱性能にすると、冬であれば外壁面の「表面温度」がかなり上がってきます。

その為この後ご説明させていただくMRT(平均放射温度が高くなり、エアコンなどで空気温度を上げる必要性がなくなってきます。

 

これがG3~G2.5レベルに断熱性能を上げる意味です。

この後詳しくご説明します。

 

私たち家づくりのプロはこれを理解して、断熱・気密をはじめ、壁などの「表面温度」が一年を通じて最も良い状態・温度に保つことのできる設計・施工をしていきます。

 

 

私たちの身体は、壁などの「表面温度」の影響を受ける、とお話ししました。

 

では、体感として、どの程度「表面温度」に影響されるのでしょうか。

どうすれば、真に居心地の良い家になるのでしょうか。

 

本当の体感温度を知る方法


 

身体が感じている体感温度を知るには、次の2つの測定器を使います。

 

[測定器] [使用目的]
温度計 「空気温度」(室温)を計る
赤外線放射温度計 壁などの「表面温度」を計る

 

 放射温度計の価格は、数千円〜数十万円まで。機能と性能により様々。

 

 

周囲の「表面温度」の平均値は、専門用語で、MRT(Mean Radiation Temperature / 平均放射温度)と言います。

 

例えば、表面温度:南壁(20℃)・窓(18℃)・床(18℃)・窓(8℃)・天井(12℃)・家具(10℃)の場合、その平均値=MRTは、18.8℃です。

 

 

空気温度とMRTがわかれば、次の計算で体感温度が分かるようになります。

 

 

 

この計算方法からもわかるとおり、MRTは体感の半分を占めるのです。

建物が一旦冷えてしまったり、熱を持ちすぎてしまうと、いくら空気温度をコントロールしても体感温度は追いつきません。

 

暑さ・寒さを改善するには、MRTを意識して、周りの表面温度を整えていくことも大切なのです。

 

MRTを意識すると、圧倒的に居心地が変わる


 

「エアコンを入れても、温度計のような暖かさ(涼しさ)感じない。」

 

これは「空気温度」だけを意識して、コントロールしているから。

MRTにより身体が影響を受けることがわかると、対策も変わってきます。

 

例えば、家づくりならば建物の断熱・気密性能を高め、さらに蓄熱性の高い素材を使うことが大切ですし、暮らしの中では暖簾や緑のカーテンなどで外環境の熱を遮ることも大切になります。

 

そして、室内が最適なMRT(おおよそ21〜28℃の範囲)になれば、エアコンさえも使う必要がなくなります。

 

エアコンにより室内が乾燥したり、風当たりや温度差で体調を崩される方はもちろん、

健康に過ごしたいと思われる全ての方にとって、

MRTを意識した家づくりで、暑さも寒さも感じない、真に居心地の良い暮らしができるようになるのです。

 

家は、長い時間を過ごす場所。
快適で健康な人生を過ごすための大切な場所です。

 

新築を建てるならば、暑さ・寒さの対策にお金をかけるだけの十分な価値があると考えています。

 

 

高断熱・高気密の住宅は家づくりは現代の家の基本だと考えます。

そしてその効果を最大限生かすのは、外環境の取り込みと、素材の上手な使い方です。

 

ここでは、私たちが普段計画で行なっている「冬の工夫」のポイントを2例、ご紹介します。

 

 

冬は日差しを取り込む


 

太陽は季節によって通り道が変わります。
私たちの家づくりでは、シミュレーションソフトを使って太陽の位置を意識しながら建物の軒や窓の設計をしています。

 

冬の工夫で大切なポイント1つ目は、最も太陽高度が低い冬至の太陽を意識して、壁や床にしっかり日射を取り込むことです。

太陽は自然の暖房。これを使わない手はありません。

 

 

蓄熱をする


 

もう1つのポイントは、取り込んだ太陽の熱を「蓄熱」をさせることです。

 

高断熱・高気密住宅では、太陽の熱を取り込むと、日中、室内が暑くなりすぎてオーバーヒートすることがあります。

このような事にならないよう、日射を受ける床や壁には緩やかに蓄熱・放出できる素材を選びます。

 

特にコンクリートや土、木材など熱容量の大きい素材は、日中の太陽の熱をしっかり・じっくりと溜め込んでくれます。これらを使用すると室内が急激に温度上昇することがなく、オーバーヒートを起こしにくくなります。

 

さらに、次のような良いこともあります。

 

・壁や床の「表面温度」が高まることによって、エアコンを使わなくても、身体は暖かさを感じるようになる

・エアコンを使わないことで、相対湿度も下がらず、室内も乾燥しない

・壁や床に蓄わえられた熱は、夜間温度が下がってくるときに緩やかに放出されるので、夜になっても室内の暖かさが続く

 

蓄熱を考えていくと、連鎖的に身体にとって良い状況に!
また、熱容量が大きい断熱材は以下の図のように温まりにくい性質がありますが、一旦温まってしまうと、冷めにくいので急激な温度の低下を防げます。

 

 

 

 

高気密・高断熱住宅、太陽熱の取り込み、蓄熱、表面温度のコントロール。

こういった技術とノウハウの併せ技で家づくりをしていくと、暮らし始めてからの居心地の良さが大きく変わります。

 

冷え性や風邪、ヒートショックなど、身体の健康被害に多大な影響を及ぼす冬の寒さ。

快適で健康に暮らしていただくために、私たちの家づくりでは欠かせない対策です。

 

さてここで私たち家づくりのプロでも、なかなか解決の難しい課題が「冬の乾燥」。

ここからはこの乾燥対策についてお話しします。

 

 

 

高断熱・高気密住宅でも、日差しが入らない時・外気温が低い時は「肌寒い」と感じることもあります。

(性能次第で、寒さの程度は変わります。)

 

これを補うものとして、LDKなどではエアコン・石油ファンヒーター・ガスファンヒーターなどの設備を使うのが一般的ですが、高断熱・高気密住宅では、石油ファンヒーターやガスファンヒーターといったいわゆる「開放型燃焼器具」は使用できません。


気密性が良すぎるので、燃焼した際に発生する一酸化炭素が部屋に充満し、頭痛などの中毒症状を引き起こす可能性があるからです。換気扇が近いキッチンのガスコンロ以外、開放型燃焼器具の使用は控えないといけません。

すると、エアコン暖房を使うことが多くなりますが、ここがポイントなのです。

 

 

なぜ冬は乾燥する?


エアコンの話の前に、少し空気の性質について触れたいと思います。

 

そもそもなぜ冬は乾燥するのでしょうか?  理由は次の通り、空気が蓄えられる水分「水蒸気の量」にあります。

 

空気の温度 空気中の水蒸気の量
暖かい 水蒸気を多く蓄えることができる
冷たい 水蒸気を多く蓄えることができない

 

冬の空気は冷たくなります。
それまで蓄えていた水蒸気を抱えきれなくなり、飽和すると水や氷になります。

もっと冷え込むと、同じことが繰り返されます。

 

結果、空気中の水蒸気量がどんどん少なくなっていくのです。

これが冬の乾燥の原因です。

 

 

なぜエアコン暖房は乾燥する?


そして、この乾燥の中、室内ではエアコンで空気を暖めています。

 

空気が暖まることで、空気が蓄えられる水蒸気量の”受け皿”は増えたのに、実際の水蒸気量は少ないまま。
相対的に空気の中の水蒸気量(相対湿度と言います)は、ぐんと下がっていきます。

 

 

この状態になると、圧力差により空気と触れている物体側の水蒸気が奪い取られ、物体が乾燥していきます。

さらに、エアコンの風が直接当たることも、乾燥を促していきます。

 

身体で言うと、皮膚・口などから水分が蒸発していき、肌も喉もカラカラになっていくのです

 

 

エアコン暖房を使った環境で、何の対策もしない場合は、室内の相対湿度は15-30%ほど。

洗濯物がすぐに乾いてしまうほどの状態です。

 

 

 

 

過度の乾燥は人にも建物にも悪影響


 

カラカラになるほどの乾燥が長期間続くと、身体にも建物にも次のような影響が出てきます。

 

乾燥が及ぼず影響

身体への影響

・喉の渇きや痛み、ドライアイ、肌荒れ

・ウイルスが活発になる

・ハウスダストを吸い込みやすい

・上記により風邪、感染症を起こしやすい

・静電気の発生、など

 

建物への影響

・クロスが切れる

・床材に隙間ができる

・木材が割れる

・ハウスダストが乾いて舞いやすい、など

 

エアコンを切ると空気が冷えてくるので、仕方なく暖房をかけっぱなしにするか、暖房を切って寒さを耐えるか。。

冬に健康被害が多いのは、寒さと、それを補うために生じる乾燥によるものです。

 

 

 

エアコン暖房を使いながら、できる限りの対策を


 

私たちの経験上「心地よく潤っている」と感じる快適ゾーンは、室内の相対湿度が50-60%あたりです。

そこに何とか近づけるために、次のような取り組みをしてきました。

(全室を1〜2台のエアコンで賄える高断熱・高気密住宅の家づくりは当たり前として、エアコンの数を減らす対策については割愛します。)

 

 

[対策1]  加湿器を併用する

お客さまに加湿器をご用意いただきます。小さなものは効果が薄いので、大型で気化式のものが良いです。

空気清浄機能もついている加湿器もあります。仕様をご確認の上、エアコンのある場所・長く居る場所に設置します。

これで、室内の湿度を10%ほど上昇させることができます。

 

 

 

 

[対策2]全熱交換器を使う

換気システムである「全熱交換器」を活用します。家づくりの時に導入します。

 

 

全熱交換器を使うと、換気の際、室内の顕熱(温度)と、潜熱(湿度)は外に出さず、室内に留めます。

つまり、換気に伴う室内の温度・湿度変化を最小限に抑えることができるのです。

 

このシステムでは、換気ダクトを通じてお風呂の水蒸気も回収し、各居室に配ることができるので、家全体の湿度を程よく保つことができます。換気と併せて、湿度や熱までコントロールできるので素晴らしいシステムです。

 

 

このどちらも、何もしなければ湿度30%以下になるところを、40-50%まで上げることができます。
エアコン暖房の乾燥対策としては、最善と言えるのではないかと思います。

 

 

 

そもそも、エアコンを使わなくて良い方法


 

上記では湿度40-50%まで保てる対策についてお伝えしました。
これは素晴らしい成果で、現在多くの高断熱・高気密住宅でも取り入れられています。

 

しかし、できれば湿度をさらに上げて「心地よく潤っている」と思える50-60%ゾーンを目標としたいですし、

エアコンの風が皮膚にあたるストレスも減らしたい。局所的に温まる、といった温度差も生じさせたくありません。

 

そして、私たちが行き着いた最良の湿度コントロール方法は、

なんと、「エアコンを使わなくても良い家にする」という方法です。

 

これまで空気の温度について説明をしていましたが、実は「温度」には3つの種類があります。

 

空気温度 空気の温度。
表面温度 壁・床・天井・家具など、物体そのものが持っている温度。
体感温度

身体が暑い・寒いを感じる温度。

身体の仕組み上「空気温度」よりも「表面温度」の方が熱を感じやすい。

 

体が感じる暑い・涼しい「=体感温度」は、実は「空気温度」だけでなく、「表面温度」も大きく関わっているのです。

 

それならば、

これまでずっとエアコンで「空気温度」をコントロールする事を前提にしていましたが、

室内の壁・床・天井など物体の「表面温度」をコントロールする事を前提としていけばいいのです。

 

表面温度を上げることをするには、これは表面温度の記事でも取り上げましたが、

建物の外皮性能を更にアップ(G3~G2.5にする)すると表面温度が高止まりするので、

空気温度を上げすぎないで体感温度を心地いい温度に保つことができます。

これがひいては空気温度を上げないことに繋がり、相対湿度を高く保つことができるのです。

 

また、もうひとつの具体例として室内に「熱を蓄える素材」を増やすことです。

 

例えば、土・石・レンガ・土間たたき床・無垢の木材には、大きな蓄熱効果があります。

これらを使った床・壁・天井の「表面温度」は、窓から入る太陽の熱を時間をかけて吸収し、ゆっくり上昇していきます。

 

 

また日没後室温が下がってくると、蓄えた熱をゆるやかに・長く放出し続けるので、その熱を受けた身体は、穏やかに温かさを感じます。

これもまたエアコンを使って空気温度を上げる方向に走らないため、相対湿度は高止まりし、それに起因する乾燥は起こらないのです

 

 

 

「エアコンを使わないなんて・・本当に大丈夫?」と、不安になられる方も多いかと思います。

 

私もこの考え方を知った時は目から鱗でしたが、家づくりに携わる立場だからこそ、これまでの経験・体験から、とても効果的な方法だと確信を持っています。

 

また、新築はもちろんですが「表面温度」をコントロールする考え方は、リフォームの温熱対策としても有効。

 

この「乾燥」のストレスのない心地よさをお客さまにも体験いただきたくモデルハウスを2023年5月に建築しました。

ぜひ多くの方に、ご来場頂き、温熱環境に優れた家づくりを知っていただけたらと思っています。

 

 

 

また昨今、夏の暑さ対策は大きな課題です。

 

夏を快適に過ごすための家づくりの工夫は数多くありますが、その中でも「基本のキ」と言える2例をご紹介します。

 

敷地を読み取る


 

私たちは家づくりにあたり、まずは敷地が持つポテンシャルを把握する調査をします。

 

例えば、隣家の状態・水路・道路といった周辺環境、卓越風(その地で最もよく吹いている風)など外環境を見極めて、建物・庭をどういった配置で建てると最も良い状態になるのかを確認するのです。

 

この調査をもとに外環境を上手に使えば、夏の暑さ対策に大きく貢献してくれます。

 

例えば、建物や樹木は、その影で地面の表面温度を大きく下げてくれます。

樹木は根から吸い上げた水を葉から蒸散させて、木陰に周囲より少し涼しい環境をつくります。

卓越風・水路から生まれる風は、こういった少し涼しい冷気を室内に運んでくれます。

 

敷地は一軒、一軒全て違います。たとえ隣同士でも、隣家や道路の状況で条件は異なってきます。

その敷地ならではの特長を引き出す計画がとても大切なのです。

 

 

熱を逃がし、冷気を取り込む


 

空気は暖まると上に昇っていきます。

 

夏に二階や屋根裏が暑苦しいのは、日中の熱が天井付近に溜まってしまうから。

高断熱・高気密の住宅では、熱が室内に留まり続けるので適切な工夫が必要です。

 

そこで大切になるのは、換気(排熱)の計画。

熱がたまりやすい高い場所に、高窓や排熱窓を取り付けます。

 

夏の夕方、この窓を開けると天井付近に溜まった熱は自然の力で外へ排出されていきます。

庭側の窓も開けておくと、同時に樹木下で生まれた冷気だまりが引っ張られて、室内に引き込むことができるので、室内の温度を下げたり、涼しさを感じることもできます。

排熱(換気)は、建物に「隙間」が多くあると、あちこちから熱が出入りするので計画通りに働いてくれません。

そのため、建物自体が高断熱・高気密であることが大前提。

 

断熱・気密の性能は、さまざまな計画の土台となっているのです。

 

Planning

 

また夏場においても蓄熱性は効力を発揮します。

名古屋の夏においてエアコンの冷房で冷気を蓄冷し、

洞窟のようなヒヤッとした涼しさを体感できます。

 

これは蓄冷で表面温度を下げる効果があり、

エアコンで空気を冷やす感覚とは一味も二味も違った感覚を得ることができ、

涼しさをより感じていただけます。

 

 

耐震等級3にこだわる理由


 

 

ここからは耐震についてお話しします。

 

 

 日本にとって災害をどうとらえ、どう対策し、どう被害を予防していくのか。

 

とても大きな課題のひとつです。

 

そして住宅は家族の命を守り、家族の財産も守ってくれている存在です。

 

日々住宅に関する技術が向上している中で、私たちが我が家に対してできることはないのでしょうか。

 

そのためには地震等級で最高クラスとされている「耐震等級3」とその他の等級の違いを知ることが重要です。

 

 

耐震等級とは

 

ひとめ見ただけでは同じように見える住宅でも、建物の構造などによっても違いがあります。

 

そして住宅の耐震等級は、耐震等級1~3に分かれており、耐震等級3が最高等級となっています。

 

耐震等級1とは、建築基準法(法律)と同程度の建物

 

耐震等級2とは、等級1で想定する地震の1.25倍の力の地震に耐えられる建物

 

耐震等級3とは、等級1で想定する地震の1.5倍の力の地震に耐えられる建物

 

上のような耐震性能の「差」が示されています。

 

主に地震に強い家にするために、どんなことが住宅に施されているのかということです。

 

耐震等級が上がることにより、耐力壁の量が増加したり2階の床や屋根面の面の強さ、柱の量の増加・金物の増加などや基礎の高強度化にもつながるのです。

 

 

 

実は最高等級「耐震等級3」にも2種類がある

 

耐震等級にも1~3と違いがありますが、実は耐震等級3を決定する認定条件には2種類があります。

 

■許容応力度計算による耐震等級3

■品確法の住宅性能表示制度(性能表示)における耐震等級3

 

の2種類あります。

 

次回この部分に関して詳しく説明しますが、この2種類の耐震等級3において必要壁量の計算をすると

 

実際に壁量の量が変わってきてしまうのです。許容応力度計算を行った場合の必要耐力壁量>性能表示で計算を行った必要耐力壁量

 

なので許容応力度計算で行う耐震等級3

実際には必要と考えています。

弊社は新築においては耐震等級3を標準としています。)

 

でも建築基準法で定められているのだから品確法での住宅性能表示の耐震等級3で十分だと思われるかも

 

しれませんが、壁量が多くなればなるほど、建物はより硬くなり、建物への損傷具合は軽減されます。

 

実際に私がこの前聞きに行ったセミナーの設計事務所の先生の所は許容応力度計算による耐震等級3の更に

 

1.3倍の性能を担保されているとのことでした。より硬く建物をつくることが建物に被害を与えないことになり、

 

万が一の巨大地震が起こった時に命だけでなく、家という財産をも守ることになるのです。

 

 

ただし全国で現在建っている、もしくはこれから建てる住宅のすべてが、このような構造計算を実施している訳ではありません。

 

それは4号建築となる2階建て以下の木造住宅の場合には、このような構造計算を行わなくても良いことになっているためです。

 

「構造計算書の提出義務はないが、検討は設計士個々に行って」という建築士の裁量に任せてしまっている

 

現行の法律にも問題がありますが、そんな状況なので構造計算やらなくてもいいと勘違いして受け取った設計士が簡易計算でギリギリの耐力壁量で

 

済ませようと考えてしまう設計士が多く存在し、安全率の低い家をバンバン建ててしまっているのです。

 

ハウスメーカーなども色々な名前をつけて○○工法だとか、✖✖フレームだとか色んな名前を付けていますが、

 

結局は分かりにくくなってしまっており、問題は構造計算をどのレベルでやっているかです。

 

木造の構造安全性検討方法は

①許容応力度設計

②品確法の住宅性能表示における耐震等級設計(性能表示計算)

③建築基準法の仕様規定(仕様規定)

 

①②③どの構造計算をしているかが最も重要です。次回この違いについて説明します。

 

また「耐震等級3相当」などという言葉も出回っていますが、「相当」は曖昧で意味が弱く、

 

耐震等級3の証明にはならないので地震保険を割引対象外です。

 

 

 

住宅建築で押さえておきたいポイントとは

 

念願のマイホームを考え出した時、いろいろな希望や理想が膨らむ瞬間です。

 

こんな家に住んでみたいなどの住宅のデザインから、快適な空間で毎日を過ごしたいなどの間取りや環境の部分。

 

そして災害に強い家に住みたいなどの安心性能など、これから長く過ごす我が家に求めるものは人それぞれです。

 

安心・安全で快適な住環境を求めるためには、やはり優先順位があるのです。

 

上の図のようにたくさんの希望の詰まったマイホームですが、使いやすい間取りやデザインなどは基本性能の上に成り立つものです。

 

揺るぎのない基本性能を高めることで、住宅のデザインである外観や家の躯体も長く保たれ、快適に過ごせる間取りも可能になるのです。

 

省エネ性能や耐震性能を考えずには、快適な家を求めることは難しいのです。

 

 

熊本地震の現状から学んでおきたいこと

 

日本には皆さんの記憶にも残っている地震も多く発生しています。

 

2016年4月14日に発生した熊本地震では、観測史上初めて震度7の揺れが2度も襲った地震です。

 

大きな揺れが2度も発生したことで、その被害も甚大なものでした。

 

そして地震の後に残った被害は「想定外」の規模でした。

 

地震の被害では、揺れにより建物の損壊や倒壊も発生します。

 

ではなぜ熊本地震が想定外と言われているのか。

 

それは、新耐震基準で建てられたはずの家が100棟近くも倒壊してしまったという被害の現状です。

 

新耐震基準法は1981年6月1日以降に建築確認申請が行われた建物に適用されています。

 

震度5程度の地震に対しては構造躯体に損傷を生じず、震度6強から震度7程度の地震に対しては倒壊しないという規定に改定された法律です。

 

自然のパワーは人間には計り知れないほど巨大なものなのです。

 

基準の他に構造計算による耐震等級を高めることが改めて重要だということが浮き彫りになったのです。

 

被害から目を背けず、これからに向けて生かす

 

地震での命を落とす原因にはさまざまな要因が考えられますが、被害を大きくする原因のひとつは、住宅の倒壊です。

 

人間が作った建物だからこそ、壊れ。そして人間が作った建物だからこそ、対策も可能なのです。

 

4/14 最大震度7 マグニチュード6.5

 

4/16 最大震度7 マグニチュード7.3

 

この短期間に大きな地震が2回も発生した熊本地震です。

 

航空からの写真でもわかるように、多くの住宅が被害に遭っています。
(青いところは屋根が壊れ、ブルーシートに覆われています。)

 

ここでは熊本地震の住宅への被害を解説します。

 

 

古い木造建築の建物です。

 

両方の写真とも1階部分が2階部分の重さを支えきれず、押しつぶされています。

 

確かに長い年月、家族の生活を守ってくれた家なので老朽化は否めない部分ではありますが、両方とも同じように潰されるまでのパワーが地震によって発生していたということです。

 

まだ築年数が浅い建物の写真です。

 

この築年数の浅い建物がなぜ倒壊してしまっているのかを

解体調査すると、短く言うと水平面の耐力がなかったことが原因でした。
(具体的に言うと火打ち梁という梁が全然足りていない状況でした)

こうした水平面の堅さ(水平面剛性)を確保できていないのは

許容応力度計算などの構造計算を行わない住宅で起きてしまっているのです。

 

こちらも古い木造住宅と同じように、1階部分が押しつぶされてしまっています。

 

 

なぜ築年数の浅い住宅木造住宅にまで大きな被害が発生してしまったのか。被害を未然に防止する手段はなかったのでしょうか。

 

その原因はひとつではありません。

 

想定外の地震だったことも大きな要因ですが、建物真下に活断層があった、地盤が弱かったなどの部分もあります。

 

ですがもし建てる前に構造計算を実施することで建物を全方位的に把握し、その建物が持っている弱い部分などの「リスクへの対処」が行われていなかったことは被害を大きくした要因の大きな部分と言えるでしょう。

 

現在の建築基準法では、建物の耐震性能に求めている要求性能を満たしていても、大地震(建物の供用期間中に一度遭遇するかも知れない程度の地震)には相当な被害が発生します。

 

倒壊を免れたことで、「家族の命を守る」という役目は果たせました。

 

しかしもうそのままでは住めません。それを復旧するための費用と時間は多大なものになります。

命は守れますが、家という財産を失い、ローンだけ残るという悲惨な事実が実際には起きているのです。

 

同じように熊本地震のあった益城町に建つ耐震等級3の木造住宅です。

 

耐震性能を3にまで上げているので、被害がほとんどありませんでした。

 

そして2度の震度7の激震に耐え、住み続けている住宅です。

 

家族の命を守るのはもちろん、家で過ごした思い出やこれから過ごすであろうかけがえのない時間も守ってくれたのです。

 

 

 

耐震等級1と耐震等級3の違いって??

 

家づくりにとって、安全・安心のある生活を営むためには、災害に対しての対策が必要だと言ことは分かっていただけたでしょう。

 

では実際に対策を施すためにはどうしたらいいのかを考えていきましょう。

 

上の図は耐震等級1と耐震等級3を分かりやすく図にまとめたものです。

 

このように建てる際に費用は掛かってしまいますが、実際に災害に直面した時の損害の大きさはその費用よりも多くかかってしまいます。

 

本当であれば全棟構造計算をすることにより、より良い対策を練ることが可能になるのです。

 

現在は義務となっている建物が限定されていることにより、該当していない建物は構造計算を行うことも多くないのが現状です。

 

構造計算によりどのくらいコストアップしてしまうのか

 

法律では義務化されていない構造計算なので、実際は行わなくても罰則はありません。

 

実際、構造計算を行った場合、どのくらいのコストアップにつながるのか解説します。

 

一般的に構造計算の費用は概ね、20~30万円くらいです。

 

そしてその計算に基づき、柱や梁、構造体が不足しているとなった場合、使用する材料や施す箇所にもよりますが概ね50~70万円くらいはアップする傾向がみられます。

 

構造計算を行った建物、耐震等級3の建物だからといって、被害が出ない訳ではありませんが最小限に抑えられます。

 

しかし構造計算=耐震設計を確実に行っている証になります。

 

万が一の場合でも安心できる住宅、地震に強い家を目指すのであれば、必要なコストになるのです。

 

 

あなたの不安に答えるのも、

工務店の役割です

 

鈴木建築は三代にわたり北名古屋に住んでいる地元密着の工務店です。

 

お客様の声に寄り添った家づくりを鈴木建築は心がけています。

 

北名古屋地区での家づくりの相談、住宅に関する不安や心配ことなど、お気軽に鈴木建築にご相談ください。

 

 

お客さまの困りごとにいつでも対応できる!「お家の町医者」を目指し、一棟一棟心を込めて安心をお届けします。

 

地元で頑張り続けて55年! これからも皆様の住宅計画に役立つお手伝いをさせていただき、安心・信頼の技術とサービスをご提供させていただきます。

 

 

 

 

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100年、200年もつような究極の家を作ること。

時代に合った家、生活スタイルに合った家づくりを

今後何十年もこの鈴木建築で創り上げていこうと想っています。

 

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